男性不妊の恵比寿つじクリニック
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男性不妊治療コラム

第10回 精索静脈瘤についてよくあるご質問

最近一番多いご質問は「ネットでみると手術のやり方がいくつもあるようですが、どう違うのでしょうか?」ですが、その他にもよく尋ねられるものをいくつかあげてみます。

・「精索静脈瘤」ってどんなものなのですか?
 ⇒精索静脈は精巣(睾丸)から心臓に戻る血液が通る血管です。心臓に向かった血液が逆流してきて精索静脈が「瘤(こぶ)」のようになっている状態が精索静脈瘤です。
・「精索静脈瘤」の原因はなんなのですか?
 ⇒静脈の内部には血液の逆流を防ぐ弁があるのですが、その弁の具合が悪いのだろうと考えられています。
・「精索静脈瘤」って珍しいのですか?
 ⇒精索静脈瘤は一般男性の15%、不妊男性の40%にみられますが、さらにお二人目がなかなか授かれない続発(二人目)不妊では70%と高率に認められます。
・「精索静脈瘤」があると、なんで精子に悪い影響が出るのですか?
 ⇒人間の内臓で体の外に出ているのは精巣(睾丸)だけですが、それは精子を造る細胞が熱に弱いためです。精索静脈瘤があると、おなかからの逆流してきた血液が精巣を温めて、精子を造る力に悪影響をおよぼすと考えられていますが、熱以外の作用もあるようです。
・「精索静脈瘤」の診断には超音波検査が必要ですか?
 ⇒医師が触って診断するのは不確実です。先日もこれまで3人の泌尿器科医に診てもらったがそれぞれ言われることが違うという患者さんが受診されました。精索静脈瘤を見落として、せっかく精子が良くなる機会を失わないためには、超音波検査でくわしく調べる必要があります。それも医師が診察の片手間にやるような超音波検査では駄目です。当院では男性不妊を専門に研鑽を積んできた超音波医学会認定超音波検査士が検査しますが、超音波検査については私も院長もまったく敵いません。
・「精索静脈瘤」は右にも出来るのですか?
 ⇒精索静脈瘤は左側にできやすいとされていますが、超音波検査でくわしくみてみると右にも見つかることが多いです。他院での診察や超音波検査では右側にはないと診断されている患者さんも多数いらっしゃいました。両側に精索静脈瘤があるのに、片側だけ手術されて、精子の状態が改善していない患者さんが来られると非常に悔しい思いになります。
・色んな手術法があるようですが,どのようにやられているのですか?
 ⇒当院の顕微鏡下精索静脈低位結紮術は、局所麻酔による日帰り手術です。逆流を起こしている静脈はすべてしばりますが、精管と動脈はもちろんリンパ管や神経もきちんとすべて残します。非常に慎重な操作が求められる精管周囲静脈の処理も行い、現在日本で行われているどの手術法(メソッド)より精密なやり方です。高度の技術が要求されますが、両側でも手術時間は1時間半程度で、翌日のお仕事は問題なく可能です。
・手術後はどのようにみていくのですか?
 ⇒手術がうまく行えたかを確認する超音波検査は必ずやらねばなりません。気になる精子の変化については、手術後3カ月間は1カ月毎に精液検査を行います。

不妊治療では女性だけに負担をかけていることが、まだまだ多いと感じられます。精索静脈瘤があれば、手術で精子を改善できる期待があります。男性も積極的に治療を検討して、女性の負担を減らしていきましょう。

精索静脈瘤についてもっと知りたければこちらを!

助川 玄
恵比寿つじクリニック 副院長

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