男性不妊の恵比寿つじクリニック
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AERA with Baby (ウィズ ベビー) 2012.8掲載

「男性不妊」について知っておきたいことAERA with Baby (ウィズ ベビー) 2012.8掲載

ふたり目が欲しい。でも、なかなか妊娠しない「ふたり目不妊」に悩む夫婦は多くいます。
でも、「子どもが1人いるから、不妊ではない」と思い込んでいたり、
不妊=卵子の老化や女性の体の問題だと思い込んでいる人も多いようです。
しかし、「不妊」の原因は女性側の問題とは限りません。
いざというときのために知っておきたい「男性不妊」の基礎知識をご紹介します。

「すでに子どもがいる私たちは、ふたり目も当然妊娠できるはず」そう思いがちですが、不妊治療の現場ではふたり目不妊を訴える夫婦が増えていると、日本初の男性不妊専門クリニックで診療する泌尿器科医の辻祐治先生はいいます。そして、そのときに男性側の問題が見つかることも多いようです。
「お子さんがいるご夫婦なら重症の男性不妊の方はまずいないはずですが、1人目を授かったあとに精子の数が減ったり、動きが悪くなっている男性は結構います。小さな差でも、もともと精子の状態があまり良くなかった人には、妊娠できるかできないかの問題になってしまうことがあるのです」
 高齢出産の増加などで、不妊は多くの人に身近な問題になりました。その妊娠は、卵子と精子の共同作業。このうち、卵子は加齢の影響が顕著で、30代半ばから妊娠率が下がり始めます。一方、男性は70歳でも父親になれるといわれますが、それが必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。
 もし、ふたり目が欲しいのに授からないようなら、女性と同時に、男性側の検査もする必要があります。「不妊症」は、医学的定義に照らせば「妊娠しようとしている男女が2年間妊娠しないこと」ですが、最近は晩婚化が進んで、妊娠を望んで1年間妊娠しなければ受診が薦められています。

男性の検査に痛いものは何もない

男性の不妊検査の代表は「精液検査」で精子の数、運動率、形態などを見るもの。不妊治療を行う産婦人科、あるいは男性不妊を扱う泌尿器科で受けることができます。日による変動が大きいので2回行い、結果が良好ならば、男性不妊検査は基本的にはおしまいです。
 精液検査の結果が正常値ぎりぎりだったり、以下だった場合は、精巣の超音波や触診、ホルモンの分泌を調べる血液検査などを実施します。
「痛みなどは全くなく、女性よりずっと簡単な検査です。産婦人科で、精液検査以外の検査や治療が受けられないこともあるので、男性不妊専門医を探しておくといいでしょう」
 ときどき、女性だけがさんざん治療をしたあとで、男性不妊だとわかるケースもあります。
「女性も男性も同時に検査を始めれば、無駄な検査や治療費、時間は減らせます。受診を嫌がる男性も多いですが『先生が夫婦で来なさいというから』など説得し、夫婦揃って検査や治療をすることをおすすめします」
 男性不妊の原因はさまざまです。ひとつは、「乏精子症」や「精子無力症」など精子がうまく作られていない場合。また、性感染症による癒着などで精子の通り路(精路)がふさがっていることもあり、その場合は精路をつなぎ直すこともあります。勃起障害(ED)や射精障害も男性不妊の原因のひとつ。また、ふたり目不妊でよくみられるのは、精巣の超音波検査で発見される「精索静脈瘤」です。
「お腹の温かい血液が精巣に逆流し、精巣の血管(静脈)がこぶ状に膨れる病気で、精子を作る細胞は熱に弱いため精子の数や質が低下します」
 精索静脈瘤がある男性は、不妊症の夫婦全体の4〜6割を占めます。手術後は7〜8割は精液状態が良くなり、自然妊娠が可能になる例もあります。

体外受精の場合も、精子のクオリティは影響

 最近は女性の出産年齢が高齢化していることから、実際は男性不妊が原因でも、自然妊娠を待たずに体外受精が原因でも、自然妊娠を待たずに体外受精を勧められることも増えているようです。そのときも精子の質を高めれば妊娠率の上昇が見込める、と辻先生。
「内分泌療法など、治療も多様化してきました。精液状態が悪く、体外受精を繰り返しても妊娠しないようなら、男性の治療を行うべきです」
 夫婦が妊娠力を保つためには、まずは、セックスレスにならないようにすることが大切だと辻先生。
「日本では、産後、セックスレスになる夫婦は多いのですが、まず第一に、性交渉をもたなければ絶対に妊娠しません。射精しなければ、精子を作る力も下がり、精子の状態が悪くなっていきます」

治療だけではなく日常生活で予防を

 また、生殖活動は全て脳から出るホルモンに支配されています。
「脳の下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されることで、精子形成が促され、男性ホルモンであるテストステロンが産生されます。そのため、ホルモン分泌がうまくいっていないと、精子や男性ホルモンをつくる力が低下してしまいます」
 過度のストレスが、精子の状態を悪化させてしまうのはこのため。また、上記の生活習慣で精子環境を整えておくことも大切です。治療技術は日進月歩ですが、医療には限界があることも頭の片隅に置いておきたいもの。
「事情はいろいろあると思いますが、出産間隔はあまり空けない方が、妊娠しやすいともいわれます。一度妊娠できた体の状態が変わらないうちに妊娠を考えることも、ふたり目不妊予防といえるかもしれません」

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