最近は感染数が報告されなくなったので、落ち着いたように思いがちですが、身近に新型コロナにかかったという人が増えてますよね？ 軽症化しているようですが、味覚や嗅覚が戻らないという話も聞きます。

そういう状況で新型コロナ感染と精子に関するちょっと気になるデータがデンマークのコペンハーゲンで６月に開催された欧州生殖医学会で報告されました（What is the recovery time for sperm parameters in men who have suffered a mild Covid-19 infection?）。

不妊外来を受診した１８歳から４６歳（中央値３１歳）の４５人について、新型コロナ感染前と感染後の精液所見を比較しています。新型コロナに感染後、精液量は20％↓(2.5ml→2ml)、精子濃度は26.5％↓(6,800万/ml→5,000万/ml)、総精子数は37.5％↓(16,000万→10,000万)、精子運動率は9.1％↓(49.5％→45％)悪化しており、さらに感染後100日以内と100日以上たっての精液所見の比較でも違いはありませんでした（悪いまま）。

軽症の新型コロナ感染でも精液所見は悪化するが、それがなかなか回復せず、もしかするとずっと続くかもという報告です（なかには500日たっても精液所見が元にもどらない患者さんもいた）。

軽症化したとはいえ、新型コロナにかかると精子の状態が悪くなり、場合によっては長期間にわたって続く可能性がありますから、とにかく感染しないようにするのが第一です。それでもかかってしまった後の妊活については、「新型コロナ感染後の妊活再開時期は？」を読んでみてください。

辻祐治
恵比寿つじクリニック

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妊活中にコロナ感染した場合、落ち着いたら精液検査をおすすめしています。

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