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「精子を凍結しても顕微授精の成績に差はありません!」

精子を作る力が非常に弱くて,精液の中に精子がいない非閉塞性無精子症やcryptozoospermia(crypto=暗号って意味ですよね.顕微鏡でぱっと見ても精子はいなかったけど,精液を徹底的に濃縮してみたら何個か精子がいたという状況です.決まったいいかたがないのですが,極少精子症でしょうか)では,精巣(睾丸)から採ってきた精子や精液中のごくわずかな精子を保存するためには凍らせておく(凍結の)必要があります.当然ながら,精子を凍結すると精子の状態が悪くなってしまうのではないか?という疑問が出てきますよね.
この問題についてはこれまでも多くの論議がなされてきましたが,今回ご紹介する論文では274人の非閉塞性無精子症やcryptozoospermiaの顕微授精で,凍結していない新鮮な精子と凍結した精子の成績を比較しています(Does cryopreservation of sperm affect fertilization in nonobstructive azoospermia or cryptozoospermia? Fertility and Sterility 2017; 107: 1148-1152).
結果は,凍結したcryptozoospermiaの精子では受精率は低いものの,着床率や出生率に違いはありませんでした.また,非閉塞性無精子症の精巣内から採ってきた精子では,凍結しても着床率,出生率だけでなく,受精率にも差はなかったそうです.
成績に差がないわけですから,奥様が痛い目にあって卵子を採った(採卵した)のに,顕微授精する精子がない!ということにならないように,精子を凍結して,採卵に進まれるのが良いものと考えられます.

恵比寿つじクリニック 副院長 助川 玄

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