男性不妊の恵比寿つじクリニック
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先天性精管欠損は触診だけでは診断できません

 精液中には通常4,000万個以上の精子が存在し、精液を濃縮しても1個の精子も見つからなければ無精子症と診断されます。無精子症の頻度は一般男性の1%、不妊症男性の10-15%とされており、精子を造る力が弱い非閉塞性無精子症と、精子の通り路(精路)に問題があり、精巣(睾丸)のなかでは精子は造られているものの、精子が精液のなかに出てこれない閉塞性無精子症に分けられます。
 精路とは精巣から尿道までの精子の通り路のことです。精巣で造られた精子は精巣上体で成熟し、精管、精管膨大部を通り、精嚢液・前立腺液と混ざり合って、射精管から尿道に射出されます。両側の精路のどこかが閉塞、あるいは欠損していると閉塞性無精子症になりますが、その原因には、炎症(尿道炎など)後の閉塞、両側鼠径ヘルニア術後の精路通過障害、両側精管結紮術(パイプカット)などが挙げられ、その一つに先天性精管欠損も含まれます。
 精路の全部、あるいは一部が生まれつきにないのが先天性精管欠損症ですが、両側とも欠損している場合と、片側のみ欠損している場合があります。精管欠損は陰嚢部での精管の触診により診断できるとされています。しかし、陰嚢部で精管を触れても、それより先で精路が欠損していることもあり、触診だけでは正確に診断できない可能性があります。
 当院検査士・中野が5月29日に東京フォーラムで開催された日本超音波医学会第99回学術集会で先天性精管欠損症の診断について発表しました(演題名:閉塞性無精子症における精管欠損症の超音波診断)。
 精巣内精子回収術により閉塞性無精子症の最終診断となった130例のうち59例(45%)に精管欠損を認めました。内訳は両側精管欠損が51例、片側精管欠損が8例でした。両側精管欠損51例中の2例は両側に精管を触れ、6例は片側の精管を触知しました。また片側精管欠損の8例中2例は両側に精管を触知しました。つまり精管欠損を認めた59例中の10例(17%)は、触診だけでは間違った診断になっていたことになります。
 当院では陰嚢エコーと経直腸エコーを行うことにより、初診時に正確な精管欠損の診断が可能で、引き続いての精巣内精子回収術までスムーズにお受けになれます。これは他院にはない当院の特色のうちの一つです。

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